Vol. 20

第２０話　’８５年只見線の夏

たしか、’８５年の夏は妙に暑かったように記憶しています。当時はしばらく休んでいた鉄道写真を本格的に撮り始めた頃で、けっこうな頻度で撮影に出ていました。しかし、あまりの暑さ、そしてエアコンのない車の壁に遮られてなかなか出かけることができませんでした。 　もしや、只見のあたりに行けば、川も近いし多少は涼しいのでは・・・という甘い考えで重い腰を上げて、ようやくの出発です。ところが意に反して、東京と変わらぬ暑さ。むしろ川が近くて蒸し暑い分辛かった撮影でした。深い緑と頭がくらくらするくらいのセミの声。只見線の印象です。 　それにしても、これから20年ほど先に、この風景の中を走る汽車が見られるとは、思ってもいませんでした。 　年に2回、只見線に汽車が走ると、思わず出かけてします。もちろん、腰も重くなく・・・

そろそろと走ってきた2両の気動車。深い緑色が只見川に映ります。 　 只見線　会津塩沢-会津蒲生

少し涼しくなった夕暮れ、撮影名所を気動車がすり抜けて行きました 　 　 只見線　会津宮下-早戸

ここもまた撮影名所の只見川第4橋梁、ススキの穂が開き始めていました 　 只見線　会津水沼-会津中川

こちらは只見川第2橋梁。山あいの雰囲気が好きでしたが、 今では鉄橋の後ろに広い道ができています。 　 只見線　会津西方-会津宮下

昼間の第3橋梁、4両編成は長い編成でした 　 只見線　会津宮下-早戸

会津桧原駅に咲いていた車百合 　 只見線　会津桧原駅

新潟と福島の県境を越えてきた気動車を、駅員が出迎えます。 湖岸にあるこの駅は、今でもこんな雰囲気を保っています。 　 只見線　会津川口駅