Vol. 8

北の海とローカル列車
       五能線

  
 第01週 1月1日〜1月7日

  

鳴沢−鯵ヶ沢間 冬の日本海を眺めてディーゼルが走る
 

        この写真はDVD「魅惑の鉄道風景 七曜週めくり」の映像から取り込みました
  
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 青森県と秋田県の日本海岸を結ぶローカル線が五能線だ。時として波しぶきを受ける海辺を、眼下に海を見下ろす岩場を抜けてローカル列車が走っている。日本各地の海岸線を走る路線が、新しいトンネルの新線に置き換わり、鉄道景勝地が消えていく中、五能線の車窓は依然として昔ながらの険しさを残している。
 近年、日本海の美しさ、新鮮な魚介類、そして背後にそびえる白神山地のアクセスとして見直されつつある。休日を中心に走る「リゾートしらかみ」は大きな窓から、海と夕日を見ることができる列車として人気が高い。
 
 
 冬に五能線に訪れる。荒涼とした海の風景を撮影するのが狙いだ。
 訪れるたびに日本海と沿線の風景は違う姿を見せてくれる。ある時は立っていられないほどの強風が海から吹きつけ、風に乗って叩きつける雪は積もることなく吹き飛ばされていく。こんな時には、白く立ち上がる波と共に寒々とした空気感がフィルムに焼きつくのだ。
 しかし、この年は少し様子が違っていた。ちょうど秋田と青森の県境を境に北側が雪になっていた。海もこの季節としては穏やかで、大粒の雪がしんしんと降り続く。そんな天気だった。列車を待つ間にウエアーに雪が積もり、素肌に落ちた雪はその場で溶けていく。むしろ暖かい冬だった。海をバックに撮影した鉄道風景にも荒涼とした冷たさよりも、東北の冬の穏やかな一面が写ったような気がする。

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ワンポイントフィールドガイド:五能線 鳴沢−鯵ヶ沢
 
 
 日本海に沿って北上してきた五能線が内陸に入る直前、五能線としては最北端の海岸線を撮影するポイント。A地点は国道のオーバークロス上から直線を走ってくる列車を撮影する。比較的海の位置が遠いため、海を大きく入れたい場合には、中望遠が良い。昼頃順光になる。B地点はすぐ後ろに迫る海岸線をバックにサイドを撮影するポイント。国道沿いにあるコンビニの後ろあたりが撮影ポイントになる。敷地内から撮影する場合は必ず断ってからにすること。午前中が順光。
 鯵ヶ沢駅からA地点は約2キロ、B地点までは更に約1キロ。
 
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実際に撮影に行かれる場合は、週刊週めくりメニュー下にある、ご注意を必ずお読みください
 

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